少林寺拳法とは何か
少林寺拳法は1947(昭和22)年、日本において宗 道臣(そう どうしん)が創始した“人づくりの行”です。
自分の身体と心を養いながら、他人とともに助け合い、幸せに生きることを説く「教え」と、自身の成長 を実感し、パートナーとともに上達を楽しむ「技法」、そして、その教えと技法を遊離させず、相乗的なスパイラルとして機能させる「教育システム」が一体となっています。
人間は生まれながらに、どのようにも成長してゆける可能性を秘めています。
少林寺拳法は、その可能性を信じて自分を高め続けられる人、周囲の人々と協力して物心両面にわたって豊かな社会を築くために行動できる人を育てています。
金剛禅とは
少林寺拳法の教えは創始者・宗 道臣の教えです。その教えの根本は仏陀釈尊(ぶったしゃくそん)の正しい教えと、これを正しく継承した菩提達磨(ぼだいだるま)の行法を現代に生かすことにあります。
この教えにもとづく金剛禅とは、死後の安楽や現世利益を説くのではなく、生きている人間が少林寺拳法の修行を通して、まず己を拠り所とするに足る自己を確立し、そして他のために役立つ人間になろうという、身心一如・自他共楽の道です。
金剛禅の名称は、仏教の守護神とされる仁王尊の神名に因ちなんで、阿吽(あうん)・陰陽二体の金剛神が象徴する無限・無量の宇宙の大調和をイメージして宗
道臣が名付けたものです。
武道としての少林寺拳法
少林寺拳法は1947年、香川県多度津町において宗 道臣が創始した日本の武道です。
グループ組織の一般財団法人少林寺拳法連盟は、日本における武道を統括する団体である「日本武道協議会」に加盟しており、一般的に「日本の武道」と称されている9武道団体(少林寺拳法、柔道、空手道、剣道、相撲、弓道、合気道、なぎなた、銃剣道)の1つです。
その技法の特徴は、突き・蹴りなどに対して、受け・かわしから当身で反撃する「剛法」と、手首を握る・衣服をつかむなどに対して、抜き・投げ・固めなどで反撃する「柔法」があり、それぞれを巧みに組み合わせることにより、効果を倍増させることができる護身の術です。加えて、身体を整える「整法」があります。
「自己確立」と「自他共楽」を基本理念として、拳の修行を行う武道としての側面と精神修養と人格形成を行う社会教育活動の側面を持っています。
少林寺拳法の六つの特徴
【拳禅一如(けんぜんいちにょ)】
「拳」は肉体を、「禅」は精神を意味します。身体と心は別々のものではなく、互いに影響を及ぼす一体の ものです。
少林寺拳法では、身体と心を、どちらかに偏らせることなく、バランスよく修養します。
【力愛不二(りきあいふに)】
慈悲心や正義感に溢れていても、力がなければ誰かの役に立ったり、助けたりすることはできません。
また、どれだけ力があっても、誇りや信念がなければ、正しい力の使い方はできません。
力と愛、理知と慈悲の調和こそ、少林寺拳法の行動規範です。
【守主攻従(しゅしゅこうじゅう)】
少林寺拳法の技法は、不正な暴力から身を守るためにあります。そのため、まず守り、それから反撃する技法体系となって
います。また、確かな守りの体勢を築くことで、相手の弱点を冷静に見極め、有効な反撃ができると考えています。
【不殺活人(ふさつかつじん)】
少林寺拳法の技法は、誰かを傷つけるためのものではなく、自分や他人を守り、生かすためのものです。
少林寺拳法の技法は、人の可能性を実感させ、成長の喜びを味わうために修練されます。
【剛柔一体(ごうじゅういったい)】
少林寺拳法の技法には、突き・蹴りなどに対し、受け・かわしから当身で反撃する「剛法」と、手首を握る・衣服をつかむ
などに対して、抜き・投げ・固めなどで反撃する「柔法」があります。
剛法と柔法は、互いの特徴を生かし合い、巧みに組み合わせることによって、効果を倍増させることができます。
【組手主体(くみてしゅたい)】
少林寺拳法の修練は、二人一組で行うことを原則とします。
これは、相手の行動に適切かつ柔軟に対処 できる実戦的な技法を養うためであると同時に、共に協力して上達し、その成果
の喜びを互いに分かち合い、一層の連帯を目指していきます。